妻子あり。一般的なサラリーマンが現在、イラストに挑戦中です。

ケルベロス・フォース

使用人型安楽椅子探偵

2011-03-02
書籍

謎解きはディナーのあとで


先週から今週にかけて、やたらと出張が続いた。
新幹線での暇つぶしにと、久しぶりに書店で小説を買った。

←これだ。

新横浜駅前の書店で、入ってすぐの場所に平積みされていたものだ。
執事が探偵役という設定が興味をひいた。
執事が探偵役という設定から、アイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」シリーズを連想する。

黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)


黒後家蜘蛛の会 2 (創元推理文庫 167-2)


黒後家蜘蛛の会 3 (創元推理文庫 167-3)


黒後家蜘蛛の会 (4) (創元推理文庫 (167‐5))


黒後家蜘蛛の会〈5〉 (創元推理文庫)


不思議なことで困っている知り合いとともに、レストランで食事を楽しみながらその謎を解き明かし、知り合いを助けよう(というよりは謎解きを楽しもう)という健康だか不健康だか判別のつかぬ会合「ブラックウィドワーズ」の話だ。

読んだのは随分と昔のことなので、記憶の保証はしかねるが、毎度毎度、正規のメンバーが謎を解決できたことは一度もなく、最後の最後に給仕のヘンリーが、非常に慎ましい態度で謎解きをする。

この本の発見当時、SFの大御所としか認識していなかったアシモフが、ミステリーを書いていたことに驚き、喜んだことを覚えている。
加えて、安楽椅子探偵型のミステリーであることも好みだ。


さて、「謎解きはディナーのあとで」だが、これは期待のイメージとは少々異なっていた。

結論から言えば、好みからズレていたが、手軽な安楽椅子探偵型ミステリーということで、そこそこ楽しめた。

どこがどうズレていたとは言い難いが、まず、執事が随分と前に出る。
この執事は「実は不遜」という点がウリのようだが、それを当の執事が隠さない。
また、登場人物全体の言動が、かなりコミカルに書かれている。
これらは、どうやら世間では評価されている点のようだが、私にとっては、マイナスポイントだ。
執事はあくまで執事然としていてこその設定だろう。
だが、「お嬢様の目は節穴でございますか」という口調と内容がマッチしないセリフに惹かれたことも事実なので、つまり、これは、相当微妙な嗜好の話だ。

謎自体が薄いのは、別に構わない。そういうのは嫌いでないし、何より新幹線に乗っている間に読み終えられる手軽さは有難い。

私個人としては、「謎解きはディナーのあとで」よりは、「黒後家蜘蛛の会」シリーズを推すが、若い人達はきっと逆だろう。
どちらも気軽というか手軽に読める内容なので、恐らく、さほどの差異はない。


どうでも良いが、安楽椅子探偵型のミステリーを読んでいていつも思う。
依頼人(またはワトソン役)の話を聞くだけで事件の謎を解く探偵役も立派だが、探偵役に対し、どんな些細な事実でも、余さず伝えることができる依頼人(またはワトソン役)の方がよっぽど凄い能力者ではないだろうか。
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